大人向けワークショップデザイン実習
青山学院ワークショップデザイナー育成プログラム 16期 Advent Calendar 2014の第10日目です。昨晩はお腹が痛くて9日目が空いてしました……っていうと、なんだかズル休みしている子どものようですが、ホントです。
大人向けワークショップのデザイン
さて、今日は、大人向けのワークショップをデザインしたときのことを書こうかなと思います。
ワークショップデザイナー育成プログラムの16期では、2回のワークショップ演習がありました。2回の実習の狙いは違いがあります。
- 大人向けワークショップ:主にワークショップデザインに主眼を置く
- 子ども向けワークショップ:主にファシリテーションに主眼を置く
こんな感じ。
大人向けワークショップは、主に育成プログラムを修了した方が参加者としてきてくれます。
ワークショップで悩むであろうこと
大人向けのワークショップの課題は「非日常を感じさせるような場面を1つは入れる」(うろ覚え)というのが条件でした。でも、これ、よく考えると、非日常じゃないワークというほうがむしろ難しくて、ほとんどのワークは非日常と言えます。つまり、条件はあってないようなもの。
ま、それはそれとして。大人向けのワークショップで悩むだろうな、と思ったのが、「なにゆえこのワークショップに参加せねばならないのか」という説得。特に社会人の場合、ワークショップ主催者が友達とか、会社の研修で受けろと言われた、とかなんらかの強制力が発動しない限り、メリットがないと参加しませんからね。
セミナー形式の勉強会だと「明日から使える!」とか、「すぐに役立つ!」とか、そういう文句が踊りますものね。
ワークショップにだって、メリットはある。だけど、それを事前に言葉で説明できちゃったら、ワークいらない(笑)。言葉だけでいいでしょ、ってことになる。
実際の大人向けのワークショップでは、このあたりの「動機付け」をどうやっているのか、とても興味のあるところです。
ワークショップデザインで悩んだこと
ワークショップのデザインは5名程度のグループで行います。ワークショップをデザインして何度も実施している人から、まったくの初心者までいます。グループは「レベルごと」なっていました。私は「初心者チーム」。
まー、デザインに悩んだといえば悩んだのですが、それよりも大変だったのが、「ものごとを決めていくこと」です。つまり、他者理解と合意形成のプロセスです。
ワークショップのワークショップという微妙な二重構造の中での勉強だったんだなあ、と思います。
実際に面と向かって話をする時間は限られています。授業で会う時に活動するだけでは時間が足りない。このあたり、プログラムを運営する事務局のかたも心得ていて、いつまでになにをするのか?という取り決めを行うシートが配布されたりしました。
我々は、授業と授業の間の細かなやり取りはLINEで行いました。ドキュメントは「ノート」機能を使ってログとして流れていかないようにして、やり取りはログで。
みんなそれぞれ自由になる時間は異なっていたと思いますが、わりと「人のレスにはなるべく早く答える」ことをみんなが自然と(かなりプレッシャーあったと思うけど)心がけてくれていたので、返事がない!というようなストレスはほとんどなかったです。
そういう意味では、同じ実習に参加していても、コミットメントにはかなり差があるのではないかと思いました。コミットメントが低いから悪いというわけでもなく、高いからいいというわけでもない。
ここらへん、ワークショップに限ったことではなく、イベントを主催するとか、会議を主催するとか、日常生活でもかなり経験することではありますが。
コミットメントの総和と、ワークショップのできはイコールではないから、ドライに考えると、終わりよければ、すべてよしという考え方もある。いやいや、そうじゃないだろう、プロセスだろうという考え方もある。
ただひとつだけ言えるのが「自分が基準」で「自分が普通」を押し通そうと、するといろいろつらくなる場面があるだろうな、ということです。
「基準」や「普通」も含めて、ニュートラルに構える……武道家が身体の力を抜いてふわっと立っていても、ひとたびコトが起これば、さっとその状況に対応していくような感じ。そういう身体感覚が必要なのかなって思います。
なっかなか難しいけど。そういう感覚を身に付けるワークとか楽しそうですね。話が思いっきり横道にそれて、終わります。